書籍化ラノベに見る、「Webコンテンツはタイトルが命」の意味

ちょっと一休み

出版業界に木枯らしが吹き始めて早幾年……
実際に雑誌も一般書籍も発行部数は減少し続け、書店に置いてある出版物を手に取る人は減り続けています。理由はパソコンやスマホで欲しい情報が手に入るから、わざわざ情報を求めに出版物を購入する必要性が減っているから。
10月28日放送のNHKニュースウォッチ9の特集「読書に変化が……」と、先日書いた「オンライン小説のSEO対策について考えてみた」がちょっとだけリンクしていたので、見入ったあと、実際に市内で一番大きな書店を歩いてみた感想です。

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ニュースウォッチ9が特集した「読書の変化」とは?

特集は二部構成で、前半は「体験としての読書」をテーマにした新しいタイプの書店、というかサービスの紹介。
後半は「オンラインノベルの台頭」についてでした。私が注目したのは後半の部分です。

要約すると、

「(小説の)出版数そのものは減っているが、アマチュアが作品を発表できるオンラインノベルサイト自体は大変にぎわっている。活字離れが叫ばれているが、媒体が本からデジタルデバイスに変化しただけで、活字に触れる機会は減っているわけではないのではないか」

「オンライン上で人気の作品を電子書籍として配信したり、書籍化したりする流れができている。作品のファンは書籍化されたものを手元に置いておきたい、という気持ちがある」

というものでした。

小説を出版するのは出版社です。今までは文学賞を通して新人を発掘、出版していたのだけれど、こうしたオンラインノベルサービスから「これは」と思う作品または作家を見つけ出版する、という流れができているとのこと。

また、オンラインノベルは作家と読者の間に誰も入らないため、読者の反応を即座に取り入れられることができる、という利点があるとは、作家の中村航さんの弁。
そしてオンラインノベルは、スマホ閲覧を前提にした文章で書かれている、とのこと。

オンラインノベルの世界にもWebライターのお作法、そしてSEO対策が必要!
やっぱりそうなんだねー、とは思いました。

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売場面積500坪の書店を歩いてみた

私が行った書店は、売場面積500坪、中国地方でも最大クラスの書店です。

従来のライトノベル(BL含む)とは別に、オンラインから書籍化された本のコーナーができていました。本棚1つぶん、一方は冒険系、反対側は恋愛系レーベル。色にすると冒険系は寒色系、恋愛系はピンク系の表紙が多いです。

確かこの本棚は、以前は準新刊が置かれていた気がします。その次、「世界の中心で、愛をさけぶ」「1リットルの涙」など、闘病ものが注目を集めたときには、闘病もののエッセイが並んでいた気がする……要するに、この書店の中では「今、旬の本」を置く場所です。書店入り口の新刊コーナーの隣くらい。

ここを歩いて気づいたのは、冒険系の本は四六判が多いな、ということ。1冊1,200円くらい。転スラのサイズって言ったらわかるかな。
恋愛系は、四六判もあったけど、文庫サイズも多かったです。これはどういうことだろう?

とはいえ、オンラインからの書籍化がひとつの流れとして確立しており、こうしてコーナーができたりNHKに特集されたりするようになっているということは、出版社は「オンラインノベルからの電子書籍・書籍化」に活路を見出して、力を入れているということですよね。

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似たようなタイトルばかりになるのは、SEOのせい!?

本を眺めながら思ったのは、
「似たようなタイトルの本が多いな」
ということでした。

これ……ブロガーやライターの皆さんには、見覚えがありませんか?

そう、「SEOを気にしたら、タイトルが似てしまう」という、アレですよ。アレ。

タイトルが似ているのがいけないわけではありません。似たようなタイトルになる、つまりユーザーに伝わりやすいから「この物語は、こういう内容です」と端的に表したタイトルをつけている。

立派な戦略です。

Webコンテンツは、「わかりやすいタイトルが大切」という、代表例ですね。

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わかりやすいタイトルとは?

さて、わかりやすいタイトルってなんでしょう?

  1. キーワードはできるだけ左側に入れる
  2. キーワードと相性のいいワードを入れる(サジェストと組み合わせる)
  3. ベネフィットを入れる(どんな利益が得られるか)
  4. 具体的な数字を入れて説得力を持たせる
  5. 接続詞を入れて躍動感あるタイトルに

Webコンテンツでわかりやすいタイトルのルールといえば、こんなところです。

キーワードを左側に、というのは、そのキーワードで検索しているので、ユーザーの目に留まりやすくするためですね。相性のいいワードというのは、メインキーワードと一緒に検索されているワードのこと。いろんなワードがあります、試しに検索窓に入れて表示させてみてください。

具体的な数字っていうのは「脂肪率を1%減らす方法」とか「電気代を20%抑える節約術」みたいな書き方のこと。

接続詞は「の」とか「が」とかを入れて、文章っぽいタイトルにしようというものです。
「電気代の節約術」よりは「今からできる! 電気代を20%抑える節約術」のほうがクリック率が高くなるということ。

これを小説のタイトルに応用すると、人気がある作品群のようなタイトルになっちゃう、と。
戦略です。見てもらうための戦略。
Webコンテンツだから、……戦略も似てしまうのね。しみじみ。

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まとめ

似たようなタイトルばっかりの裏には、やはり発表の場がネット上であり、ネットならではの「伝わりやすさ」を追求した結果と言えるでしょう。

ところで、結局、冒険ものは四六判が多い気がするに関しては、答えらしいものは見つけられませんでした。なんでだと思う?

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おまけ

ついでなので、オンラインノベルの人気筋と内容まるかぶりのヒストリカルをひとつご紹介。

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翻訳ものなので、基礎知識が必要なんですが、「伯爵令嬢」「身分差」「一途」などにピンときたらぜひ。

実はオムニバス系のシリーズものなので(この物語はスピンオフ)、登場人物は他の作品にもちらちらと登場します。